「延喜式」「神名帳」「式内社」

2015年01月05日 16:58

延喜式…平安時代中期、927年に成立しています。

「律令国家」という言葉を中学校くらいで習います。律は今の刑法みたいなもので、令は行政法や民法みたいなものとか。しかし、法律だけで行政ができないのは今と同じで、細かいルールも決めました。これが「式」です。

では、なぜそんなところに神社のことが書いてあるのでしょうか?

古代国家建設を進めた人たちの感覚では、政治が神意に沿うことが大切です。選挙があるわけじゃないから、政治の善し悪しを審判するのは(実態はともかくとして)神様。良い政治が行われれば、人の力の及ばない自然現象もそれに応じてみんなに優しい対応をしてくれる。間違った政治には、また報いがある。官僚の二大トップは「太政官」と「神祇官」で、神を祭ることはそれくらい大切なこと。だから、どこにどういう神々が鎮座しておられるかということを調べ、その社格にふさわしい対応をすることも国の責任だということだったのでしょう。

延喜式にある神社のリストが「神名帳」で、そこに載っているのが「式内社」です。天皇の命により捧げ物を贈る神社が、全国で2861社載っています。神様の数としては3132座。新屋坐天照御魂神社は三柱の神様の鎮座される神社です。

菅原道真が太宰府に左遷されたのが901年、亡くなったのが903年。北野天満宮が建ったのが947年。道真さんが政治家から神様に転身しようかという時代、式内社の方は既に有力な神々を祀る神社として存在を認められていたことになります。

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