延喜式の記述内容

2015年01月05日 17:20

新屋坐天照御魂神社を載せる延喜式神名帳には、「並名神大。月次新嘗。就中天照御魂神一座預相嘗祭。」と割り注がついています。

広辞苑から幾つかの語釈を引用します。

まず「名神大」

名神(みょうじん)
延喜式に定められた社格。名神祭にあずかる神々で、官幣・国幣を奉られる大社から、年代も古く由緒も正しく、崇敬の顕著な神々を選んだもの。名神大社、略して名神大ともいった。

神様の位ではなく、神社の格として非常に高いということです。

次に「月次新嘗」…毎月のお祭と新嘗祭

新嘗祭(にいなめさい)
天皇が新穀を天神地祇にすすめ、また、親しくこれを食する祭儀。古くは陰暦11月の中の卯の日に行われた。近時は11月23日に行われ、祭日の一つとされたが、現制ではこの日を「勤労感謝の日」として国民の祝日に加えた。

とにかく、しょっちゅう国から捧げ物(幣帛)が届けられたことになります。

最後に「預相嘗祭」…相嘗祭にも預かった

相嘗祭(あいんべのまつり)
古代、11月新嘗祭(にいなめさい)の前に71座の神に新穀を奉献する祭。あいなめのまつり。あいにえのまつり。

天神地祇に新穀を召し上がっていただく祭儀に先行して、一番重要な全国で71座の神々だけに、召し上がっていただくという祭儀があり、その神様のお一人が、われわれの神社の主祭神だったということになります。

歴史マニアにしかわからない言葉かと思ったら、手元の広辞苑にしっかり載っていました。

相嘗祭、新屋社に、国から届く幣帛の具体的内容は延喜式に以下のリストがあります。

新屋社、一座。
絹二匹、絲三絢、綿二屯、調布三端四尺、庸布一端一丈三尺、木綿十斤三両、鮑十両、堅魚二斤十両、海藻凝海藻各三斤十両、腊四升、盬四升、筥一合、甅甅、缶、瓮、山都婆波、小都婆波、筥坏、酒垂、匜、等呂須伎、高盤、片盤、筥杯、短女坏、陶臼各二口、酒稲百束。

意味不明のところを読みとばしても、当時貴重品だった布、米や酒だけでなく、海産物、さらに食器類などが大量に届いたようです。

私たちもお祭には精一杯のお供えをしていますが、これを見ると百分の一にもならない感じです。神様はお供えの量じゃなくてそこに示される敬神の心を喜ばれるのだ、と考えることにしましょう。

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