鈴の緒の奉納

2016年12月19日 16:54

神社の前に吊してある鈴、鳴らすのに引っぱる綱があります。鈴の緒と呼ぶそうです。これがずいぶん傷んでみっともないことになっている。そういう指摘を受けることが重なり、新調を検討することになりました。

麻でできているので、国内で原料から作るとなると大麻取締法に基づく認可を得ないといけない。今は生産農家が激減。だから、それなりに値のはるものになっている。化繊のもあるというので見せてもらいましたが素人目にも「うーん、これじゃない…」という感じ。

毎年赤字が続くなか、会計の方といろいろ相談。

自分が「とりあえずサイズを測って、値段を調べよう」と氏神さんに行ったら、ご夫婦でお参りしていらっしゃる方が…。邪魔にならないよう、須佐神社の方からメジャーで測ってたわけです。お参りを終えたご夫婦に声を掛けられ話をしたら、鈴の緒の傷みを気にしておられると人づてに聞いていた方。

計測を終えて、疣水神社に回り、神主さんに相談に行ったら、またこのご夫婦とお会いしました。どうやら、自分と神主さんが疣水神社の鈴の緒のところで話をしているのもご覧になっていたらしい。

値段は長さだけでなく、太さも関係すると知って氏神さんで鈴の緒の太さを測って、家に帰って、もらってきた価格表で、この太さのこの長さだと…と試算していたところに電話がかかってきました。

なんでまた電話番号がわかったかというと、奥さんがうちの嫁さんと昔PTAでご一緒だったんです。

〇〇です、と名乗られて「女房は外出中で…」と答えようと思ったら、鈴の緒の価格を尋ねられて、目の前に価格表があるから、それをそのまま伝えたら。

「拝殿と須佐神社、2本奉納します!」

びっくりして、ちゃんと御礼が言えたのかどうか記憶がない。しかも、名前を刻むのは不要とおっしゃる。ずっと気になっていたことが解決するならそれだけで嬉しいという、なんとも「男前」な申し出でした。

自分が「とりあえずサイズ測って…」となぜこの絶妙のタイミングで思ったのか? 鈴の緒の新調を氏神さまもお望みだったと思わざるを得ないような展開でした。

初詣の時には、新しい鈴の緒を参詣の方々にお披露目できます。お参りの節、この話も思い出しつつ鈴を鳴らしていただけたらと思います。

追記
今日、この鈴の緒の新調を知った方から、紅白のリボン(正式名称がわかりません。鈴の緒と一体のものとみなすそうです。麻綱にくくりつけてある布。見に来てもらったらわかります。)を奉納したいと電話がかかってきました。さっき、御礼に伺ってきたところです。

これ、「神ってる」てやつですか?

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